非公認の自動車学校の罠

こんにちは!

 今回は私が非公認の自動車学校に入ってしまったことで、約30万円ほどドブに捨ててしまった経験を記していこうと思います。

 学生にとっての30万円は本当に大きすぎて、今でも思い出すだけで中々しんどいのですが、自分のような過ちを皆さんには犯してほしくないので、今非公認の自動車学校に入校しようとしている人はぜひ読んでいって頂けると幸いです。

ではまず、そもそも自動車学校における公認非公認とはどういうことなのでしょうか。

公認と非公認の自動車学校の違い

公認自動車学校(指定自動車教習所)

  • 公安委員会(警察)から指定を受けている学校
  • 学科・技能のカリキュラムが国の基準で管理されている
  • 卒業すれば、運転免許試験場での実技試験(技能試験)が免除
  • 卒業後に受けるのは「学科試験」だけ
  • 指導員の資格や設備も整っていて、安心感が高い

非公認自動車学校(届出自動車教習所)

  • 公安委員会の指定を受けていない学校
  • 教習自体はできるけど、内容やカリキュラムは学校ごとに自由
  • 卒業しても免許試験場で「実技試験(技能試験)」を必ず受ける必要がある
  • 指導の質や教習時間にばらつきがあることも多い
  • 料金は安いことが多いが、その分リスクもある

安さに惹かれて選んだ学校

自動車免許を取ろうと考えたとき、私が最初に重視したのは料金でした。学生にとって数万円の差は大きいものです。調べてみると、近所にあった自動車学校の中でひとつだけ、他よりも6万円ほど安いところがありました。場所も悪くなく、「ここならいいか」と軽い気持ちで入校を決めてしまいました。

公認と非公認の違い

ところがそこは「非公認自動車学校」でした。
公認の教習所は公安委員会に指定されていて、卒業すれば技能試験が免除され、あとは学科試験に合格するだけで免許を取ることができます。
しかし非公認では、卒業後に運転免許試験場で仮免技能試験・本免技能試験を必ず受けなければなりません。つまり「卒業=安心」ではなく、最後まで自力で試験に合格しなければ免許を取得できない仕組みだったのです。

非公認自動車学校の雰囲気

学科試験の勉強は、公認校のような授業形式ではなく、指定された日時にZoomでオペレーターとつなぎ、あらかじめ郵送された教本を使って行うものでした。オペレーターが試験に出やすい範囲を解説してくれる仕組みで、どちらかといえば独学に近い印象でした。私は教本を一通り読んだ後、さらにYouTubeで「仮免学科試験に出やすい問題」を扱った動画を見て勉強しました。

仮免の練習場は、いくつかの自動車学校が共同で使用している場所で、建物や設備は少し古めでした。担当する教官は日によって変わりましたが、基本的にどの教官も優しく丁寧に指導してくださいました。特に私の場合は「左折のときにふくらんでしまう癖」があり、それを改善するためにいろいろな方法を試しながら、根気強くコツを教えていただけたのが印象的でした。

練習時間の制限と試験料の負担

ただし、練習できる時間には明確な制限がありました。私の場合、試験前に与えられた 3時間×6日=18時間 の練習枠をすべて消化してしまっていました。そのため、試験本番で警察官から改善点を指摘されても、それを修正するための練習を行うことができません。結局、毎回“ぶっつけ本番”のような形で挑むしかなく、なかなか合格に近づけませんでした。

さらに追い打ちをかけたのが費用面です。仮免技能試験を受けるたびに 1回4,700円 の受験料がかかりました。何度も落ちると費用はどんどん膨らみ、安さに惹かれて入ったはずなのに、結果的に公認校以上にお金も時間も消耗してしまう現実が待っていました。

仮免技能試験の厳しさ

実際の仮免技能試験は想像以上に厳しいものでした。警察官が試験官を務め、基本は減点方式です。右左折の三点確認、幅寄せ、直進走行中のわずかなふらつきまで減点対象となり、少しでも下手だと判断されれば即不合格になります。

午前と午後に分かれて各12人前後が受験していましたが、合格するのは1人か2人、多いときでもその程度で、誰も受からない回も珍しくありませんでした。合格者に話を聞いてみると、全員が最低でも3回以上受けていたとのことでした。私自身も6回挑戦しましたが、ことごとく落とされ、仮免突破すらできませんでした。

試験官の態度と緊張感

試験官の態度も緊張をさらに増幅させる要因でした。優しく指示を出してくださる方もまれにいましたが、基本的にはぶっきらぼうで、中には怒鳴る人もいました。受験者は必要以上に緊張して運転がぎこちなくなり、普段ならしないようなミスをしてしまいます。

しかも「安全第一」と思ってゆっくり走ると「円滑な進行の妨げ」とされて減点対象になってしまいます。安全運転のつもりが逆に不利になる理不尽さもありました。

仮免学科試験の有効期限

さらに厳しいのは、仮免学科試験には有効期限があることです。合格してから 6か月以内 に技能試験も突破しなければ、仮免の学科試験を再び受け直さなければなりません。技能試験で何度も落ちているうちに期限が切れてしまうと、また最初からやり直しになってしまいます。

私自身も仮免技能試験に何度も挑戦していましたが、「このままでは学科の有効期限が切れてしまうのではないか」という不安が常につきまとっていました。非公認を選ぶと、こうした時間的な制約とも戦わなければならないのが現実です。

キャンセル待ちの仕組み

試験を受けるには予約が必須ですが、キャンセル待ちという制度もありました。府中試験場では午前は8:30まで、午後は12:50までに技能試験窓口前に置かれた紙に記入すれば、キャンセルが出たときに受験できます。ただし希望者が多いと抽選になり、必ず受けられるわけではありません。これもまた効率が悪く、時間の浪費につながりました。

結局、公認に入り直した

非公認校の場合、仮免に合格して初めて路上練習に進めますが、私は結局そこにすらたどり着けませんでした。つまり、公認校なら自然に進めるはずのステップで延々と足止めされ、時間もお金も消耗する羽目になったのです。

最終的には「このままでは埒があかない」と判断し、公認の自動車学校に入り直しました。結果的に金銭的にも時間的にもかなりの量を無駄にしてしまいました。

非公認を考えてもいい人

私の経験から言えるのは、非公認を選んでもいいのは、免許を持っていたけれど失効してしまった人や、相当運転技術に自信がある人くらいだということです。過去に実技を経験していて「試験を突破できる見込みがある」という人なら、安さのメリットが生きるかもしれません。

逆に、初めて免許を取ろうとする人には、安さに釣られて非公認を選ぶのは絶対におすすめできません。精神的にも金銭的にも、想像以上の負担を強いられることになるからです。

学んだことと伝えたいこと

これから免許を取ろうと考えている人は、料金の安さだけでなく「公認か非公認か」を必ず確認してほしいと思います。私のように遠回りする人が少しでも減れば嬉しいです。

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